オカルト警察官の宿命
東京、警視庁の一室ーー
日常の至るところに、霊能力を持った者たちが潜んでいた。
ただ、いろいろ面倒な状況を引き起こすだけなので、そのほとんどが沈黙を貫き、他の一般人と変わらぬ感じで静かに暮らしていた。
その多くは自身に背負わされた運命を怨みながら生きていたが⋯⋯
中には前向きに捉え、積極的に活用する者がいた。
霊能力を駆使して、次々と事件を解決していまう警察官がいた。
同期よりも異常に早いスピードで出世を果し、交番勤務の一介の巡査から、本庁の警部まで最短で登り詰めていた男がいた。
しかし、やり過ぎた⋯⋯
不自然なまでの手際の良さに、ある事件で犯人側との内通を疑われ、監査室から目を付けられてしまったのだ。
その警察官、男の名は更梨大祐⋯⋯
今、査問委員会のようなものが開かれていた。
警察官僚A「どうして犯行動機を言い当たることができた?」
警察官僚B「使われた凶器に関する情報で⋯⋯警察関係者で君だけが知っていたのは不自然だ。本当のところはどうだ?」
更梨は直立不動に姿勢で、息を呑みながら答える⋯⋯
「それは本当に私のカンです。ただの偶然です!」
まさか、霊能力で探り当てることができましたなどと言える訳がない。
これに対して、釈然としない表情を示す警察官僚たち⋯⋯
ため息をつく者までいた。中には終始、更梨の表情を注視するように睨み続ける者までいた。それは強い疑いの目だった。
しかし、査問委員の中に一人だけ不適な笑みを浮かべ続けていた者がいた。質問することなく成り行きを見守っているだけの感じだった。
「本日はここまでにする。更梨警部は⋯⋯しばらくの間、通信局での内勤とする。以上解散」
肩を落とす更梨⋯⋯
更梨も退室しようとしたところ、終始不適な笑みを浮かべていた査問委員の男が近づいて来た。
「警部、ちょっといいかな?私と一緒に喫茶室にいかないか?」
「えっ!? は、はい。でも、また、なんでしょうか⋯⋯」
「今後の君のためになる話だ。私は知っているぞ。君が特別な能力を持った人間であることを⋯⋯タルパ戦争⋯⋯だったかな? 調べたよ」
「えっ!! あなたは一体⋯⋯」
つづく